JATI-ATIとは?正式名称や費用、難易度、合格率を解説

広告 コラム

JATI-ATIとは?正式名称や費用、難易度、合格率を解説

JATI-ATIとは?日本の現場に即した指導者を育成する資格

パーソナルジムでのトレーニング風景
JATI-ATI(ジャティ エーティーアイ)は、特定非営利活動法人日本トレーニング指導者協会(JATI)が認定する、トレーニング指導者のための基礎資格です。
科学的根拠に基づいた知識はもちろんのこと、日本のスポーツ現場やフィットネス環境における実践的な指導能力を重視しているのが特徴です。
アスリートから一般の愛好家まで、幅広い対象者に安全で効果的なトレーニングを提供できる専門家であることを証明します。

正式名称は「JATI認定トレーニング指導者資格」

JATI-ATIは通称であり、その正式名称は「JATI認定トレーニング指導者資格(JATI-Accredited Training Instructor)」です。
この資格は、トレーニング指導者として基本的な知識・スキルを保有し、さまざまな現場で活躍できる能力があることをJATIが公式に認定するものです。
資格名が示す通り、単なる知識の保有だけでなく、実際の「指導者」としての実践力に重きを置いた資格制度となっているのが特徴です。

JATI(日本トレーニング指導者協会)とは

資格を認定するJATI(Japan Association of Training Instructors)は、2006年に設立された特定非営利活動法人です。
日本のトレーニング指導者の資質向上と、国民の健康づくりへの貢献を目的として活動しています。

海外の優れた理論や知識を取り入れつつも、それらを日本の環境や文化、日本人の身体的特性に合わせて最適化し、現場で本当に役立つ形で普及させることを目指しています。
大学の研究者からトップアスリートのコーチ、地域の指導者まで、幅広い専門家が連携しているのが特徴で、国内のトレーニング指導における中心的な役割を担う団体の一つです。

NSCAやNESTAとの違いは?日本独自の強み

JATI-ATIは、アメリカ発の国際的な資格であるNSCAやNESTAなどとしばしば比較されます。
それぞれに優れた点がありますが、JATIならではの強みは以下の通りです。

  • 日本の現場への適合性:JATIのカリキュラムは、日本のスポーツ文化や教育システム、日本人の身体的特徴などを考慮して作られています。そのため、海外の資格で学んだ知識をそのままでは応用しにくい場面でも、JATIで得た知見はスムーズに現場で活かすことができます。
  • 実践重視のカリキュラム:資格取得の過程で養成講習会の受講が必須となっており、座学だけでなく実技を通して実践的な指導スキルを磨く機会が豊富に用意されています。
  • 国内での強力なネットワーク:JATIは国内の大学や研究機関、スポーツ団体との連携が強く、国内での活動を目指すトレーナーにとっては、セミナーや研修などを通じて人脈を広げやすいというメリットがあります。

国際的な知名度ではNSCAやNESTAに分がありますが、日本の現場で活躍することを目指すのであれば、JATI-ATIは非常に価値の高い選択肢のひとつと言えるでしょう。

JATI-ATIを取得する3つのメリット

メリット
JATI-ATIは、日本のトレーニング指導の現場で活躍を目指す人にとって、多くの価値を提供してくれる資格です。
資格取得を通じて得られる具体的なメリットの中から、特に重要な3つのポイントをご紹介します。

1. 指導現場で活かせる実践的な知識・スキルが身につく

JATI-ATIの最大の特徴でありメリットは、その実践重視のカリキュラムにあります。
資格取得の必須プロセスである養成講習会では、運動生理学や機能解剖学といった基礎理論はもちろんのこと、実際の指導現場を想定した実技指導が豊富に盛り込まれています。

さまざまなトレーニング種目の正しいフォーム、補助の仕方、クライアントへの効果的な声かけ(キューイング)など、すぐに現場で使える具体的なスキルを体系的に学ぶことができます。
テキストを読むだけでは得られない、双方向のコミュニケーションを通じた学習は、指導者としての対応力や応用力を大きく向上させてくれるでしょう。

2. 安心と信頼の証となる「JATI」の認定

JATIは、日本のトレーニング指導分野における中心的な団体の一つとして、国内のスポーツ界やフィットネス業界を中心に広く認知されています。
そのため、「JATI認定資格」を保有していることは、クライアントや採用担当者に対して、専門家としての知識と技術を持つことの客観的な証明となります。

特に、日本の環境に合わせて最適化された知識を持つ指導者であるという点は、クライアントのみならずパーソナルジム業界の中でも大きな信頼に繋がります。
この信頼は、パーソナルジムでの就職・転職活動や、フリーランスとしてクライアントを獲得する際に、非常に有利に働くでしょう。

3. 上位資格(AATI・SATI)への道が開ける

JATI-ATIは、JATIが認定する資格の中では基礎的な位置づけ(ベーシックレベル)の資格です。
しかし、これはキャリアのゴールではなく、さらなる専門性を追求するためのスタートラインとなります。

ATIを取得することで、その上位資格である「上級トレーニング指導者(JATI-AATI)」や、最上位の「特別上級トレーニング指導者(JATI-SATI)」を目指す道が開かれます。
AATIでは、より高度な科学的知識に基づいた指導能力が、SATIではトップレベルの競技者に対する指導や、指導者の育成、研究活動まで行える卓越した能力が求められます。
ATIの取得は、トレーナーとしての長期的なキャリアパスを描く上での重要な第一歩となるのです。

JATI-ATIの試験概要|難易度・合格率・試験内容

試験勉強のイメージ
JATI-ATIの資格取得を目指す上で、認定試験の内容を正確に理解しておくことは非常に重要です。
ここでは、試験の難易度や合格率、そしてどのような形式で知識が問われるのかを詳しく解説します。
しっかりと準備を進め、自信を持って本番に臨みましょう。

試験の難易度と合格率

JATI-ATI認定試験の合格率は、例年50%~90%程度で推移しています。
(公式ホームページによると、2024年度:一般84%→76%→56%)

年度や会場などによって幅があるものの、パーソナルトレーナー関連の資格の中では比較的高めの水準といえます。
しかし、これは試験が容易であるという意味ではありません。

資格取得の前提として、必須の養成講習会で体系的な知識とスキルを学び、さらに課題レポートをクリアする必要があるため、受験者は一定のレベルに達しています。
つまり、講習会の内容をしっかりと復習し、真摯に学習に取り組めば、十分に合格が狙える難易度と言えます。
油断せず、基礎を固めることが合格への鍵となります。

「一般科目」と「専門科目」の2部構成

認定試験は、トレーニング指導者に必要な知識を網羅的に問うため、「一般科目」と「専門科目」の2つの領域に分かれて実施されます。
それぞれの試験時間は90分です。

  • 一般科目:科学的根拠に基づいた指導を行うための基礎知識が問われます。
    • 機能解剖
    • バイオメカニクス
    • 運動生理学
    • 栄養学
    • 運動と心理
    • 運動と医学
    • トレーニングの科学
  • 専門科目:実際の指導現場で必要となる、より実践的な知識が問われます。
    • トレーニングの指導法
    • トレーニングプログラムの作成
    • 様々な対象者へのトレーニング
    • 安全管理
    • 指導者の役割と倫理

試験形式

試験は、マークシート方式で行われます。
一般科目、専門科目から多岐にわたる出題が行われますので、特定の分野に偏ることなくすべての科目をバランス良く学習し、苦手分野を作らないことが非常に重要です。

養成講習会のテキスト全体をまんべんなく復習することが、合格への確実な道筋となるでしょう。

JATI-ATIの資格取得までの流れと費用

コスパのイメージ
JATI-ATIの資格は、独学で試験だけを受けることはできず、定められたステップを順番にクリアしていく必要があります。

ここでは、資格取得に至るまでの具体的な3つのステップと、必要となる総費用について詳しく解説します。
計画的に準備を進めるための参考にしてください。

【STEP1】養成講習会の受講が必須

資格取得への最初のステップは、JATIに入会した上で、必ず養成講習会を受講することです(※一部免除規定あり)。
この講習会は、一般科目と専門科目に分かれており、合計で約32時間かけて実施されます。

なお近年はオンラインでの開催が主流となっており、期間内であれば自分のペースで動画講義を視聴する形式です。
講習会では、JATI公式テキストの内容に沿って、トレーニング指導の基礎となる科学的知識から実践的なスキルまでを体系的に学びます。
この講習会をすべて履修することが、次のステップへ進むための必須条件となります。

【STEP2】課題レポートの提出

養成講習会をすべて受講し終えたら、次に課題レポート(ワークノート)を提出する必要があります。
このワークノートは、講習会の内容をどれだけ理解できたかを確認するための自己学習課題です。
講習会の各単元の内容を復習しながら、自身の言葉で設問に解答していきます。

ワークノートの作成には相応の時間がかかりますが、このプロセス自体が認定試験に向けた非常に効果的な学習となります。
定められた期限内にこのワークノートを提出し、受理されることで、ようやく最終ステップである認定試験の受験資格が与えられます。

【STEP3】認定試験の受験

最終ステップは、年に数回実施されるJATI-ATI認定試験に合格することです。
試験は「一般科目」と「専門科目」の2科目で構成され、マークシート方式で行われます。
この試験に両科目とも合格することで、晴れて「JATI認定トレーニング指導者」として認定されます。

資格取得にかかる総費用を解説

JATI-ATIの資格取得にかかる費用は、主に以下の3つで構成されます。
合計すると、約17万円程度が一つの目安となります。

  • JATI年会費:11,000円
  • 養成講習会 受講料:126,500円(一般科目:60,500円+専門科目:66,000円)
  • 認定試験 受験料:33,000円
  • 合計:170,500円(税込)

※上記は2025年度の情報です。年度によって改定される可能性があるため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

資格取得後の更新費用も忘れずに

JATI-ATIの資格は一度取得すれば終わりではなく、5年ごとに更新が必要です。
資格を維持するためには、5年間で15単位以上の継続単位を取得し、更新手続きを行う必要があります。
継続単位はJATI主催の研修会参加などで取得できます。

  • 資格更新登録料:22,000円(税込)

プロの指導者として、常に知識とスキルをアップデートし続けることが求められます。
資格取得後のランニングコストとして、更新費用も念頭に置いておきましょう。

JATI-ATIの養成講習会が免除になることはある?

注意点
JATI-ATIの資格取得は、原則として養成講習会の受講と認定試験の合格が必須です。

しかし、特定の学歴や資格を持つ人に対しては、その一部または全部が免除される特例措置が設けられています。
ここでは、どのような場合に免除が適用されるのか、その具体的な条件について解説します。

養成講習が免除になるケース

養成講習会(一般科目・専門科目)の受講が免除されるのは、主に「JATIの養成承認校」を卒業(または卒業見込み)した人です。
養成承認校とは、JATIが定めるカリキュラム基準を満たしていると認定された大学や専門学校のことを指します。

  • 対象者:JATI養成承認校(大学・専門学校)の卒業者および卒業見込者
  • 免除内容:養成講習会の「一般科目」および「専門科目」の受講が免除されます。

これらの学校では、在学中にJATI-ATIの資格取得に必要な知識・スキルを十分に学んでいると見なされるため、講習会への参加が不要となります。

ただし、この場合でもJATIへの入会と、課題レポートの提出、そして認定試験の受験・合格は必要です。
ご自身の出身校が養成承認校に該当するかどうかは、JATIの公式サイトで確認することができます。

JATI-ATIに関するよくある質問

クエスチョンマーク
ここでは、JATI-ATIの資格取得を検討している方から特に多く寄せられる質問について、Q&A形式で解説します。
資格取得に向けた最終的な疑問や不安をここで解消しておきましょう。

Q. 独学でも取得できますか?

A. いいえ、完全な独学だけでは取得できません。

JATI-ATIの資格を取得するためには、養成講習会の受講と履修が必須条件となっています。
そのため、市販のテキストだけで学習を進めて、いきなり認定試験を受けるといった、いわゆる「独学」での資格取得は不可能です。

ただし、これはJATIが「講習会での体系的な学び」そのものを資格認定の重要なプロセスと考えているためです。
講習会で基礎を学び、その後の課題レポート作成や試験勉強といった部分で自己学習を進めていくスタイルになります。
講習会というインプットの機会が必ず用意されているため、知識ゼロからスタートする方でも学習の道筋が立てやすい仕組みになっています。

Q. どんな人がJATI-ATIの取得に向いていますか?

A. 日本国内で、実践的な指導スキルを重視する方におすすめです。

JATI-ATIは、特に以下のような方に最適な資格と言えます。

  • 日本のスポーツ現場やフィットネスクラブで活躍したい人:
    JATIは日本の環境に特化したカリキュラムを組んでいるため、国内での指導をメインに考えている方には非常に親和性が高い資格です。
  • 実践的な指導スキルを確実に身につけたい人:
    必須の養成講習会で実技を交えながら学べるため、座学だけでなく、現場で使える具体的な指導方法を学びたい方に向いています。
  • 段階的にキャリアアップを目指したい人:
    JATI-ATIは、さらに専門性の高い上位資格(AATI、SATI)への登竜門です。将来的にトップアスリートの指導など、より高度なレベルを目指すための第一歩としたい方にもおすすめです。

Q. 資格の有効期限はありますか?

A. はい、5年間の有効期限があり、更新が必要です。

JATI-ATIの資格は、一度取得すれば永久に有効というわけではありません。
資格認定の質を維持し、指導者が常に最新の知識を学び続けることを目的として、5年ごとの更新制度が設けられています。

資格を更新するためには、この5年間の有効期間内に、JATIが主催する研修会への参加などで15単位以上の「継続単位」を取得する必要があります。
単位を取得し、更新登録料(22,000円)を支払うことで、資格の有効期間がさらに5年間延長されます。
プロの指導者として活動し続けるためには、継続的な学習が不可欠です。

まとめ|JATI-ATIは実践力を証明したいトレーナーにおすすめの資格

パーソナルジムでのトレーニング風景
本記事では、日本トレーニング指導者協会が認定する「JATI-ATI」について、その概要から取得メリット、試験内容、費用までを網羅的に解説してきました。

JATI-ATIの最大の特徴は、海外の国際資格とは一線を画す、日本の現場に根差した「実践力」の育成にあります。
資格取得のプロセスに必須の養成講習会は、単に知識を詰め込むだけでなく、実技を通して「使えるスキル」を身につけることを目的としています。
このため、トレーナー未経験の方でも、指導者としての確かな一歩を踏み出すことができるでしょう。

合格率こそ比較的高めですが、それは講習会と課題レポートという段階的な学習が、受験者を合格レベルまで引き上げている証拠です。
費用は約17万円と決して安価ではありませんが、これは質の高い教育と、国内で広く通用する信頼性を手に入れるための投資と言えます。

特に、NSCAやJSPO-ATなどの資格保有者には試験免除の道が開かれている点も、JATIがこれらの資格と同等の価値を認めていることの表れです。

もしあなたが、机上の空論ではない、現場で本当に役立つ指導力を身につけたいと願うなら、JATI-ATIは有力な選択肢の一つといえます。
この資格は、あなたのトレーナーとしての価値を高め、クライアントからの信頼を勝ち取るための揺るぎない土台となってくれるでしょう。

  • この記事を書いた人

M3 GYM

M3 GYM(エムスリージム)は栃木県宇都宮市、JR宇都宮駅西口から徒歩5分のパーソナルトレーニングジムです。 完全マンツーマンでのトレーニングが好評で、老若男女問わず多くのお客様にご愛顧いただいております。

-コラム
-,